海賊と歌唄い
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『アンタ海賊かい?良い事教えてやるよ。町の外れに洒落た宿屋があるんだ。娼館だがな。行ってみな、
良いモノが見れるぜ?』
食料や水の調達に海から陸へと上がった【黒耀】の船長はある旅商人から言われた。
もちろん大して期待もしていなかったが、どうせ自分がいない方が水夫達の羽根伸ばしになると珍しく気を遣い、
教えられた町外れの娼館へと赴いた。
扉を押すとそこは別世界かと思うほど酒ときつい香水の匂いがした。
眉を顰めて空いている席に座ると突然背後から一人の娼婦がしなだれかかり、鬱陶しそうに片手で近寄るな、と制す。
神田はただの暇潰しで来ただけであって娼婦を買いに来たわけではない。
面白そうな見せ物があると聞いたからわざわざやって来たのだ。
−−−−−不意に、愛を囁く熱っぽい声や賭け事に騒ぐ声以外の
澄んだ声が神田の耳に届いた。
全ての生き物を惑わすような、歌声。
目まぐるしく色付く店の中に目線を這わせると、埃を被って使われなくなった一台のピアノの上に、一人の少年がいた。
汚れを知らない雪のような髪、それに見合う銀灰色の双眸。
その少年の口から、美しい音は奏でられていた。
曲が変われば少年の表情も変わる。
それは野原で戯れる少女の様であり、無意識のうちに男を誘う遊女のようでもあった。
神田は自身より幼いであろう少年を黙って見つめた。
海の上では暴挙を振り翳す彼はこの少年に魅せられてしまったのだ。
比べてみれば、彼よりも周りで他の男達と戯れている娼婦の方がはるかに見目麗しい武器をその身一つに備えている。
それは肉体的にもだが、彼女たちの大半は成熟した大人だからだ。
神田は歌が歌えるかどうかの差か、と考えていたが、それもどうやら違うらしい。
欲しい
その想いが胸を支配する。
何かを望んで、神田の手に入らない物などかつて数える程しか無かった。
今回もまた、神田はあの少年が自分の手の内に入る事を疑わない。
立ち上がって店の者に大量の金貨を渡し、歌っている少年を一晩買う、と告げた。
「あの子供ですか?見てお判りでしょうけどけど、あれは少年ですよ?何の色気もない・・・他にも美しい娘ならおりますが?」
「これなら文句無いか?」
初めに渡した金貨の上に更に十数枚の金貨を積み上げると主人は深々と頭を垂れた。
神田は踵を返してピアノへ近付く。
久しい胸の高鳴りを感じながら。
「名前は?」
真正面から見据えると、少年は歌を止めて神田を見下ろした。
元来神田は人から見下される事を嫌うが、ピアノに乗っているのだから、という理由以外に、この少年には寛大だった。
「人に名前を訊くときは・・・まず自分から名乗るべきじゃないですか?」
見るからに目つきの悪い神田に対してここまで物をはっきりと言う者は珍しい。
神田はますますこの少年が欲しくなった。
「神田、だ」
「・・・僕はアレンです。カンダ・・・さんが、僕に何かご用ですか?」
「今夜一晩、お前を買った。来い・・・・・・モヤシ」
「は!?誰がモ、」
「白くて細いんだからモヤシで十分だろ」
華奢な腕を掴み、軽々と肩に担ぐ。
「ちょっ、放して下さい!」
必死で暴れようとするアレンを、ギャラリーが下品に笑う。
そんな民衆に一瞥してその場を黙らせると、神田はさっさと2階へと姿を消した。
「冗談じゃありません!僕は男です!!男が男の相手なんてッ」
「世間知らずなガキだな・・・男同士でだってセックスくらい出来るんだよ」
「セ、ック!?」
「娼館にいるくせに何でいちいち慌てる必要がある?」
顔を青くしたり赤くしたりするこのアレンを神田は面白そうに眺める。
欠片も似合わない純粋無垢な瞳で娼館の歌い手を努める彼が、神田は興味深くて堪らない。
こんな場所で働いているくせに、おそらく一度も他人と交わった事が無いのだろう。
それは女であっても、ましてや男などただの一度も。
「僕は抱かれるために歌っていたわけじゃない!!」
「俺には関係無ぇ話だ」
肩で結んでいた長い黒髪を解き、紐をベッドへ投げ捨てる。
たかがそれだけの動作に無垢なアレンはビクビクと肩を震わせていた。
瞳だけは、きつく神田を見据えたままで。
「初めてなんだろ?俺が優しいうちに抱かれるんだな」
戸惑うアレンの腕を引いてベッドに押さえ付けると、困惑の表情は次第に恐怖へと変わっていく。
見知らぬ男に買われ、わけのわからぬまま抱かれようとしている。
怯えても仕方のない状況だとは思ったが、アレンには不幸な事に神田にそれ以上自身を抑制する強い自我は無い。
「気持ち良くなってりゃイイんだよ、お前は」
「っ、ひ、やめ・・・んっぅ!!」
暴れる両手を片手で束ねて頭の上に拘束し、叫ぶ唇を自分のそれで重ねる。
(手荒な事はしたくねぇな)
今までに無いほどの紳士振りを、神田は昔なじみの航海士にも見せたことは無かった。
勝手気儘、何者にも囚われず自由に生きるのが海賊という者達だ。
つい先程出会ったばかりの娼館勤めの歌唄いにここまで気を遣うのは、
神田の仲間が見れば気持ち悪いとしか言いようが無いだろう。
神田自身もそう思っていた。
(美しい声の少年・・・・・・ただそれだけで?)
甘い口の中を舌で蹂躙し、歯列をなぞって喘がせながら服を取り去る。
露わになった胸元は他人から与えられる快感に薄く色付き、扇情的で欲情を誘う。
「あ、ぁん!」
絹のような肌に指を滑らせるとアレンの意に反して声が漏れた。
慌てて唇を噛んでも時すでに遅く、重ねていた唇を放して胸元の突起に舌先で触れる。
押し潰したりゆっくりと舐め上げれば潤んだ瞳が僅かな理性の端で神田を睨め上げた。
「手負いの獣だな・・・目がギラついて誘ってるように見えるぜ?」
「っ誰が!!」
「お前に決まってんだろ」
もちろんそういう意味で言ったわけではないと解っていたが、神田は根っからの意地悪。
下手に足掻いても自分の首を絞めるだけだという事をアレンは全く知らない。
「っふ、んっ・・・いやぁっ」
硬く尖った二つの突起を指で強く擦り、口付けを落とす。
アレンの表情からは恐怖というよりも未知の快感に対する動揺が窺われ始めた。
腰元を縛っていた薄い布を取り去り下着ごとズボンを下ろすとアレンは自分が犯される立場の人間である事を色濃く理解した。
まだ大した事はしていないのに目尻に涙まで浮かべられ、神田は少なからず居たたまれなくなる。
「怖いか?」
「こっ、怖くなんかッ」
微かに震える唇に啄むようなキスをする。
緊張を解かなければこの細い身体は神田を受け入れられないからだ。
「あっ、あ、やっ放し・・・はっ・・・ん、ふぁ」
神田はアレン自身へと手を伸ばしてやんわりと包み込み、快感を引き出すように上下に弄ぶ。
キスや胸元への愛撫に敏感に反応していた身体の中心はしっとりと濡れていた。
「ダメ・・・も、っねが・・・ぃ・・・ぁあぁぁぁっ!!」
熱情に微睡んだ瞳を向けられた神田はアレンの先端を軽く引っ掻いて絶頂へと導く。
アレンは誰とも身体を交えた事がない。だがそれなりの年頃であれば自慰くらいはしたことがあるだろう。
だがこの有様ではろくに自慰すらしていないように思えて神田は内心首を傾けた。
(15か・・・せいぜい16歳くらいだろう・・・?ろくに抜きもしねぇのか・・・?)
真っ白なのは髪や陶器の如し肌では無く、この心なのかも知れない。
天使のように純粋を纏う少年の身体を撓らせて快感に溺れる様は誰もの目を惹き付ける。
先程胸に散りばめた紅い所有の印はおそらく数日は消えないだろう。
生理的な涙がアレンの瞳から零れ、舌で優しく掬う。
「力を抜いていろ」
拘束していた手を放し、自らの背中へと導いて抱かせる。
弛緩した腕はすぐにパタリとベッドに落ちたが、神田は構わなかった。
アレンの吐き出した粘液を指に絡め、その更に奥へと指を滑り込ませる。
「やっ」
「お前のここは狭すぎる。慣らしておかねぇと痛いだけなんだよ」
閉ざされた蕾に指を1本挿入れ、緩慢な手付きで内壁を辿る。
熱を持って指を呑み込んだ場所は従順に濡れ、指を増やすと意志を持たない筈のそこは神田の長い指を求めて絡み付いた。
クチュクチュと音を立てる蕾は神田の指を締め付け、放しまいともっと奥へ導こうとする。
それはアレンの意志の根底にある欲望だった。
「あ、な・・・に?何でッ・・・あ、あっ」
「悦いか?」
「ンッ、ひぁ、あん・・・・・・」
指を3本に増やしたにも関わらず蕾は神田を誘うように蠢く。
アレンの肢体に欲情しきった神田は自身の猛りをアレンの秘部に押し付けた。
「ヒッ・・・く、あ・・・ぅ」
指とは比べ物にならない質量と圧迫感にアレンは息を詰める。
シーツを握り締めている指を解かせて自分の指と絡めると、アレンは痛いほど握り返してきた。
神田は見目麗しく男性でありながら人目を惹く美貌を持つ。
町を歩けば前後左右、周りからひっきりなしに羨望や色目や誘惑の眼差しを向けられるのだ。
故に、神田は自ら娼館などの類に行って女を買う必要は無い。
(大量の金を払ってまで・・・コイツを自分のモノにしたかったのか?)
若くして一つの海賊の頭となった神田は物心付いた時から『欲しいモノは奪え』と教えられていた。
当然、今回だって奪えば良かったのだ。
たかが歌い手が消えたところで娼館に大した損害は無い筈。
(海賊の心を惑わす・・・お前は海の魔物か・・・)
「モヤシ・・・」
「あっ、も、ぉ・・・だ、めぇっ・・・・・・!!」
与えられる快感を甘受するアレンは神田の目に酷く愛らしく、艶めかしく映る。
ほとんど無意識のまま神田の動きに合わせて腰を動かす。
何も知らないからこそ、美しい媚態。
「っ、モヤシ・・・!!」
「あぅっ、やあぁぁぁぁぁんっ・・・・・・!!!」
最奥を抉るように突くとアレンは堪えきれずに精を放った。
それとほぼ同時に神田もアレンの中に熱い白濁を吐き出す。
アレンは神田の下で情事の跡が色濃く付いた胸を喘がせ、目尻に涙を称えて焦点の合わない瞳で自分を犯した男を見つめる。
「は、ぁ・・・っ・・・お水、欲しっ」
譫言のように呟いた言葉に神田はベッドサイドにあった水差しからグラスへと中身を移した。
アレンの身体を片腕で抱き起こしてグラスを渡してやるが、一生懸命飲もうとするのが徒になってか上手く飲めない。
眉根を寄せて更に頑張ろうとするアレンの手から見かねてグラスを奪い、神田自ら水を口に含む。
何をしているの、と訝しげに見つめていた瞳は次の神田の行動に大きく目を瞠った。
「っん・・・」
端整な顔が間近に見えたかと思うと、唇に柔らかいモノが触れる。
先程まで当たり前のように触れていた唇。
その合間から舌が差し込まれ、すぐに冷たい水が流し込まれた。
「ふ・・・んぅ・・・・・・」
嚥下した水が喉から胸を一気に冷やす。
けれど、冷まされたのは身体だけでアレンは水と一緒に滑り込んできた舌の感触に微睡んでいた。
自分から神田の唇を求めるほどに。
「まだ水が欲しいのか・・・?ちょっと待て」
「違う」
「あ?---んッ!?」
身を起こし、神田の肩に手を回して口を塞いだ。
それだけならまだしも、閉ざされた唇を割って舌まで差し込む。
「ん・・・お、まえ・・・・・・」
情熱的な行動に神田は眩暈してしまう。
初めは頑なに拒んでいたアレンが、自分から欲しがってくれている。
大量の金貨を渡したのは無駄じゃ無かったと思う反面、純粋に心から歓喜した。
「まだ足りねぇって?」
アレンは応えない。
覗き込んだ瞳は熱に潤んで、男娼を生業としているんじゃないかと思うほどの艶を放つ。
「イヤだ、っつっても止めねぇからな・・・」
細い肩を押して再びベッドに寝かせるとアレンは両腕を神田に伸ばしてくる。
ただの歌い手にしてはあまりにも魅惑的な少年に、神田は無意識のまま溺れた。
窓から差し込まれる陽の光に目を細め、アレンは骨の軋む感覚の残る身体を叱咤した。
(昨日・・・あぁ、抱かれたんだ。男から・・・カンダっていう人から・・・)
寝惚けた頭でいろいろ考えれば昨夜の痴態が彷彿と甦ってくる。
「何やってんの・・・僕・・・」
熱を覚えている頭に冷水でも被ろうかとした時、アレンは隣にいた筈の温もりが消えていた事に気付く。
まだほんのりと温かい場所に、彼の姿は無かった。
「カン・・・ダ・・・?」
まさかベッドから落ちたのかと思ったがそうではない。
彼はいなくなっていた。
何も告げずに、人を弄ぶだけ弄んで・・・・・・。
「ハッ・・・最低ですね・・・」
吐き捨てた言葉は憤りというよりは沈んでいた。
どうして何も言わずに行ってしまうのだろう
僕の周りの人は みんな
ふとサイドテーブルを見ると白い包みと紙が置かれていた。
自分に宛てられた物かどうかは判らなかったが、アレンはそっと手を伸ばして小さな紙を広げた。
『店には別に払ってある。これはお前の物だ。』
これ、というのはおそらく白い包みの事だろう。
持ち上げるとチャリンという音と、随分重い感覚があった。
紐を解いてみるとそこには数ヶ月は楽に生活出来そうな金貨が入っていた。
一般の民衆がこれだけを稼ぐのに一体どれ程の労力を費やしている事か。
「ちょ、嘘!?何コレ!!?」
「アレン、煩いぞ!!」
バンッと勢いよく扉を開け放ったのは店の主人で、アレンは咄嗟に持っていた紙と袋を自分ごとシーツにくるんだ。
「あ、あの・・・昨日僕を買った人って・・・・・・」
「あ?あぁ、あの美人さんか?海賊だよ、海賊。今朝港を出るって言ってたな」
その言葉に、アレンは愕然とする。
紙の一番下に書いてあった走り書きの文字。
『また会いに来るから、それまで生きてろよ?』
「冗談じゃないっ!!」
アレンは床に散らばっていた服を拾い上げて素早く身に付ける。
そして店の主人に深く頭を下げた。
「今までありがとうございましたっ!ベッドの中にお金がありますから僕の事はそれで無かった事にして下さい!!!!」
「何だって!?おい!!アレン!!!!!」
主人の制止も聞かず、アレンは娼館を飛び出した。
(『また会いに来る』?そんなの判らないじゃないかッ、海賊なんて・・・いつでも死が付きまとっているのに・・・)
息を乱しながらアレンは港を目指す。
胸の奥にざわめく感情の正体を知らないまま、ただ何かに突き動かされるように。
地面に転がっていたビンの破片で素足を傷付けても、足がもつれて転けそうになっても立ち止まらなかった。
少しでも立ち止まれば、彼に追い付けなくなってしまいそうだったから。
(行かないで、行かないでっ・・・カンダ!!!!)
「あ?」
「ん?どうしたさ、ユウ」
大体の荷を船に積み終わり、船長を初めとする黒耀の乗員達はすでに船の上。
後は船長の命令が下ればいつでも出航出来る状態だった。
「ユーウ?」
「あぁ・・・解ってる」
名を呼ばれた気がしたのは気のせいだったのだろう、と頭を振る。
今朝早くに起きた神田は隣で安らかに眠る少年を娼館から本気で買い取ろうかと悩んだ。
どうしても放したくは無かった。
けれど、海賊と共に海へ出れば地とは比にならないくらいの災難に巻き込まれるかも知れない。
それを思うと、例え娼館であってもアレンの無事は多少なり保証される。
書き残した紙に『また会いに行く』と書いたが、海に上でそれは確信の持てないお話だった。
神田は娼館の方角を見遣り、深く溜息を吐く。
眠っているアレンの唇に何度もキスをして、名残惜しくも想いを振り切った。
(これで良かった・・・アイツを危険な目に遭わせるわけにはいかねぇからな・・・・・・)
そう自分に言い聞かせると、神田は大きく息を吸い込んで水夫を見据えた。
「野郎共!!帆を揚げろ!!!」
「アイ・サー!!!!!!」
待ちに待った船長の号令に水夫達は一斉に声を張り上げた。
風向きは良好。
もしかしたらこの町にはもう二度と訪れられないかも知れないと解っている。
目線を少しずつ離れていく港へ向けると、見知った姿がこちらに向かって駆けていた。
転びそうになりながらも、必死で船に向かって何かを叫ぶ。
「・・・って・・・ンダ・・・・・・カンダ------------!!!!」
「モヤシ・・・?」
自分の目を疑わずにはいられない。
まだ肌寒い季節に薄でのズボンとシャツを身に纏っただけの少年。
「行かないでっ、お願い----駄目なら一緒に連れて行ってよ!!------カンダぁっ!!!」
今にも泣き出しそうな声に、神田は唇を噛む。
「ユウ・・・あの小さいの・・・」
ラビが不審そうに声を掛けたが、それは神田の耳にまで届かなかった。
彼の全神経はただ1人の少年に奪われていた。
アレンは離れていってしまう船に絶望する。
船の離れた港に座り込んで、恥も外聞もなく声を上げて泣いた。
養父に娼館に置き去りにされた時だって、こんなに悲しくはなかった。
止まらない涙の意味がアレンには未だによく解らない。
神田は他人で、自分を犯した。
本当ならば憎んでも良いはずの相手と、アレンはどうしても離れたくなかった。
「っう、カ・・・ンダ・・・ひ、ぅ・・・・・・」
「泣くな・・・馬鹿」
アレンの少し先の地面に陰といくつもの水滴が落ちる。
水溜まりを作るほどの源は不機嫌そうにずぶ濡れになった神田だった。
眉根をきつく寄せてはいるが、瞳はどこか優しい。
彼の背後に見えた船は停船していた。
「カンダ・・・・・・?」
「船から飛び降りてきてやったのに・・・テメェはいつまで泣いてやがる」
船から飛び降りてきたから、悲惨なまでに濡れているらしい。
冷たい海に飛び込むなんて自殺行為を働いた理由を訊くのは野暮だろうか。
アレンはそう思ったが、訊かずにはいられない。
「何で・・・?」
すると神田は、今度こそ本当に不機嫌そうな顔をした。
「解らねぇのか?言わせてぇのか・・・どっちなんだよ」
「どっちも」
アレンは座り込んだまま腕を伸ばす。
昨夜そうして神田を求めたように。
「連れて行ってくれるの?」
「・・・仕方無ぇからな」
神田はアレンの腕を掴み、抱き寄せる。
そうする事が自然で、当たり前のような光景だった。
「で、あの小っこいの誰さ・・・・・・?」
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長かった。
海賊は浪漫です。
私の中では永遠に浪漫です。
今すぐにでも15世紀のヨーロッパに行きたいくらいには浪漫です。
そして多分殺されちゃいます。
海賊って残酷よね・・・ふっ・・・・・・(遠い目)
少しは海賊らしい事してみなよ神田さん・・・。
続き、頑張ります。
・・・あれ?まだ恋人じゃ無いんですねこの2人・・・(発覚)
Canon