肌触りの良いシルクの中でうーんと両手両足を伸ばすと何かを軽く蹴ってしまった。
シーツを捲ってみれば、そこには自分の腰に腕を絡めて眠っている黒猫がいて。

「にゃー」

と鳴いてみても起きる気配は無く、白猫は何だか可笑しくて、クスクスと笑みを零した。
恋人でも家族でも無いけれど、白猫は黒猫が大好きだ。
気儘な性格も、どこか優しい眼差しの漆黒も。
暗殺者とは思えない、故に暗殺者には相応しい黒猫が。

「にゃーぉ」

寝起きの良い白猫と、寝起きの悪い黒猫の共同生活は長いが、問題は無い。
喧嘩はするけれど、同じ空間に常にいるのだから自然と元に戻る。

「にゃー、にゃー」

黒猫の胸に顔を埋めて、白猫は甘えたように鳴いてみた。
すると無意識なのか、黒猫は両腕で白猫の背を抱き締め、ポンポンと数回叩く。
起きる気はなさそうだ。















早く起きてくれないと悪戯するよ?















ハロウィンじゃないけれど。
















もしハロウィンだとしても、僕にはもう日付の感覚は無いけれど。















悪戯しちゃうよ?














「・・・・・・なにニヤケてやがんだ」
「何でも無いよ。おはよう、『黒猫』さん」















×××××

幸福な朝を。

canon  05 12 31 sat


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