さようならオリオン。
遠い空、見えない手を振った。
千切れ逝く雲と絶えた星。
二度と出会えない世界が、届かない歌を奏でた夜。
気付いて。
この世界の美しさに気付いて。
夜空と星の砂 −Beautiful in a Moment−
この星には、何もいなかった。
この星すら、本当は無かった。
約100億年前。ビッグバンによって生まれた宇宙は誕生以来膨張を続け、膨張宇宙の
最前線までの距離は約150億光年と推定されている。
1光年は9兆4670億`。
1年という時間を宇宙の暦で例えれば、
1月は1250000000年。
1日は41100000年。
1時間は1710000年。
1分は28900年。
1秒は482年。
僕らの命なんて、この世界には取るに足らない。
君と僕の命を足しても、きっと100年も無いんだろうね。
視界いっぱいに拡がる有限の世界を見て、僕は泣きそうになった。
海の果ては滝になっているとか、
雲に乗って空を散歩するとか、
そんな無邪気に、
何かを信じ、
生きる事は出来ない。
僕らは誰かから与えられた有限の時間の中で、この世界に存在する。
多くの汚さを知って、汚さに塗れて、その中で偶然に見つけた小さな歓びを糧に、
また血と涙で構成される世界へ身を投げて。
得失を繰り返し。
差し伸べられた手を振り払いながら、
美しさを奏で続ける音の無いこの世界に、時には無情さを感じる。
だけど、
「モヤシ」
「おかえりなさい」
「何してる」
「・・・・・世界を、」
「?」
「世界を、見ていたんです」
だけど、
僕らはそれでも、生きる事を止めない。
時には命を失くす事を選ぶ人も居るけれど、その人たちはきっとこの世界の声に
気付かず逝ってしまったんだ。
取り戻せない誰かの時を、世界は嘆かない。
平和への願いなんて、世界は叫ばない。
世界は誰も、必要となんてしていない。
世界に絶対必要な生き物なんて、どこにも存在しない。
世界はただ、「振り向いて」と言うだけ。
「仰ぎ見て」と、言うだけ。
この世界の美しさに気付いてくれる誰かを、呼んでいるだけ。
気付いて。
この世界の美しさに気付いて。
この一瞬の美しさに。
二度とは出会えない、この時に。
FIN. beauty world BY asaki word BY canon 06 08 10
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今回は亜沙樹さんのお言葉に甘えて絵のリクエストをさせて頂いただけ
では無く、完成した絵に詩を付けるという恐れ多くも嬉し恥ずかしな夢
を見させて貰いましたv
そして更に・・・・私の拙い文が亜沙樹さんと夢のコラボレーションを果た
しました!!(亜沙樹さんファンの皆様、ごめんなさい・・・)
イラストと文字の共存が果たせたかは分かりませんが、本当に素敵な夢
を見させて下さった亜沙樹さんに感謝の気持ちでいっぱいです・・・。
亜沙樹さん、本当にありがとうございました(^^)v
亜沙樹さんからコメントを頂戴しましたv
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リクエスト作品の絵に、canonさんから詩と文章を頂いてしまいましたvv
そのお話をいただいた時も大変嬉しかったのですが、やっぱり完成した作品を見る
と嬉しさのあまりうるっときてしまいますね。ああ本当に幸せ者だなとか、絵を描
いていてよかったなぁとかしみじみと思います。
そして最後の四行くらいで涙がどばっときてしまいました 笑
canonさんがつくられる世界に、私の絵が少しでもじんわりと滲んでいるように感じ
ていただければ、嬉しいです。
canonさんほんっとうにありがとうございましたv